One Can TALK in Catstreet

缶ビール片手に、ストリートであーだこーだ語らう。One-Can Talk。

小雨降る、キャットストリート。
冬の訪れをにおわせる、キリッとした寒さの中、ストリートに明かりを灯し、
商店会のメンバー、パタゴニア、FREITAG、Cift、渋谷の企業のメンバー、ダンサー、Burning Manの立ち上げ人などなど、様々なメンバーがふらっと集い、それぞれのキャットストリートについて語り明かした。

「CATs」との出会い。

Shibuya Hack Projectの次のテーマはキャットストリート。
実はここキャットストリートをテーマにしたのには、数年前”CATs”という活動体との出会いがあったからだ。
“ACT DIFEFRENT”をモットーにキャットストリートで働く人たちのコミュニティとして始まった活動体。立ち上げ人の、中村元気氏は「東京の中心で昔ながらの商店街のような空気をまとった、商い以外の活動をすることをしたい」という思いのもと、今もここでまちのメンバーとの清掃活動など定期的に開催している。
 
彼らの活動には、特にリーダーはいない。ここで働く人たちが個人として、彼らの意志で
ゆるく心地よく繋がっている。それはある人にとっては弱いつながりに見えるかもしれない。ただそれが今の時代をうまく身にまとったコミュニティのあり方に、私の目にはうつっていた。

[毎月第三土曜日9:00-10:00、キャットストリートで清掃活動を実施する”CATs cleanup”]

意外と知らないお隣さん。世代交代をした新しい「穏田商店会」。

キャットストリートをテーマにすると決めてから、いろんな人に会った。
あのエリアは面白く、いくつもの商店会や町会が集まって構成されているエリアだ。

[商店会マップの図]

ちょうどキャットストリートの中心部に位置する「穏田商店会」が世代交代を行い、40代の若手のメンバーに代替わりしたという話をきき、会長の大坪さん、会員の小池さんに会いに行った。「集まりがあるから来るといい」とお誘いを受けたのは、会長のお店の「お魚屋さん」そこでは、若手のメンバーと一緒にプロジェクトをしているという明治大学の学生など、様々なメンバーがフラットに、まるで親戚の集まりのようにカジュアルに今後のキャットストリートでの取り組みについて語っていた。

ただ、「Cats」の取り組みは今まで知らなかったし、お互いに活動が行われていることがこんなにも近くにいたのに気づいていなかったという。

個人同士がもっと立体的につながれば、きっともっと面白くなる。

近くにいるのに見えていないこと、知らないこと、気づいていればもっと面白くなること。
住む人と働く人と遊びに来る人、様々な人がこの細いキャットストリートという場所に隣り合わせにいるユニークな環境のなかで、一人一人が繋がっていけば面白いことがすぐに始まっていくのではないか。
そんな予感から、ここキャットストリートで、まちとの対話、個人と個人の新しいつながりをうむ活動を始めようと考えた。

この道のコミュニケーションスタイルは、缶ビール片手に語らうこと。
One-Can Talk 始動。

ここで働く、FREITAGの脇野さんと話していたときのこと。
カフェの隅っこでざっくばらんに話していると、キャットストリートのアパレルショップのメンバーとは、よくお店おわりに「ワンカンしよ」といってストリートで語る会があるという。悩みだったり、日々のなんでもないこと、気取らずサクッと話してサクッと帰る。そんなスタイルをインスピレーションに、「缶ビールを片手に、様々な属性のメンバーがカジュアルにストリートについて語り合う会。」を開いてみようと考えた。

最初の舞台は、FREITAG Tokyo Store前駐車場。

One-Can Talkの最初の舞台は、渋谷からキャットストリートに入っていく、ちょうど入り口にあるスイスのバッグブランド「FREITAG」のお店のまえの駐車場。オーナーさんが快くOKしてくれ、FREITAGの屋台を借りて実施した。

閉店後の夜8時。
シャッターをしめてそこに映像を灯す。

何かがおこっている合図を道にするために、道にあるマテリアルを使って「ワンカンサイン」のプロトタイプも設置。すると、居合わせたデザイナーがコンビニから蛍光マーカーを買ってきて、おもむろにインクを取り出し水にいれると、ワンカップが光りだしたり。

次第にふらっと、お店終わりのパタゴニアメンバー、穏田商店会のメンバー、学生、エンジニアなどが集まってきた。

話題は、「キャットストリートとの思い出」に。
 
子供の頃、青山にある小学校の帰り道、家に帰る帰り道だったキャットストリート。寄り道してコンビニのコロッケを買って道に座って食べるのが好きだったという人。
カツアゲされないようにコソコソ通り過ぎていた裏道の思い出。
色々な人の、色々な物語がでてきた。

目的はない、ただただ語る。そこから自然発生的に生まれるものがある。

まだまだ始まったばかりのこの企画。
ストリートでの偶然をたよりに、その場に居合わせた人たちと、ざっくばらんに個人的なストリートに対する視点を交換していく会。
明確な目的はあえて作っていない。そこから自然発生的に生まれるものを大切にしたいからだ。
ゆくゆくは、このストリートだけで通じるヒミツの合図や仕組みが生まれてくると面白いと企んでいることはまだヒミツ。